『へぇ~…だっ大丈夫!私なんて男と付き合ったこともないんだから♪』

『そうなんだ!意外―。』


俊はそう言ってさっきの悲しそうな表情がまるで嘘のように笑ってみせた。



私は俊がときおり見せるどこか悲しげな表情の理由が気になってしょうがなかった…


でも今はそのことに触れちゃいけない気がするから,私はたあいもない会話を続けた。

ふと気がつくとそこはもう家の前だった。



『じゃっ。家ここだから!今日は送ってくれてありがとね♪』
『おぉ。…てか今気付いたんだけど,俺んちと歩んちって意外と近いんだな!』

『えっ?!嘘!』

『本当。俺んちはもう少し行ったらある。』

『そうなんだ♪意外と近くに住んでたんだね私達。』

『そーだな。じゃまた明日な?』

『うん♪また明日♪』



そう言って私は家の中に入った。



『ただいま―。』

『あらおかえり。遅かったのね。』

『うん。今日のご飯は?』

『今日はハンバーグよ♪』

『やったぁ♪』

そう言ってキッチンの方へ向かうと,見覚えのある後ろ姿…



『あっ♪歩おかえり―♪』

と言って振り向いたのは愛花だった。

『何で愛花がいんの?』

『今日お母さんもお父さんもお出かけなの。だから今日泊まるね♪』


そう言って愛花は夕食を食べ続ける。


『へー。相変わらず仲良いね。亜希ちゃん達は。』


そう言いながら私も椅子に座りご飯を食べた。



―――‥


満腹になった私達は私の部屋に行くことにした。
愛花は私の部屋に着くなりさっそくベットに飛び込み騒いでいる。


『きゃはは――♪』

『…。何がそんなに楽しいの?』

『べっつにぃ―♪』


理解不能な愛花の行動にはいつも驚かされる。


私はすぐ部屋着に着替えた。すると愛花が話しかけてきた。


『ねぇ―♪歩~。何か進展あった?俊くんと♪』

『////べっ別に進展なんてないしっ。』

『あれれ~?歩ちゃん顔が赤いですよ??』

『そんなことないもん!!』

『も~。素直じゃないんだから♪何があったか愛花ちゃんに話してみなさい♪』

『…』

何が愛花ちゃんだよ!ただ私をからかってるだけじゃん!

『教えてよ―歩~♪』

『もぅ。しょうがないなぁ。』

結局あたしは愛花のしぶとさに負け話始めた。