よく見れば綺麗な顔立ち。
澄んだ目に茶色っぽい髪、姿だけ見ると天使が一番あっていると思う。
だけど、この世に天使などいるはずがない。
百歩譲っていたとしてもあたしのところに天使はこない。
多分、来るなら死神。
まぁ天使だろうが悪魔だろうが死神だろうが変態だろうがなんでもいい。
どうやら殺される雰囲気はなさそうだ。
「あれー?わかんない?」
「……」
あたしが無言を貫き通すと、不審者はおっかしーなーなんてひとりごとを言い始める。
「じゃあ特別に答えを教えよう!
正解は3の天使だ!」
いえーい、とひとりで騒ぐ不審者、ならぬ天使。
「……」
「反応うすっ!」
「早くどけてくれません?
入れないんですけど」
こんな不審者に付き合っているほど暇じゃない。
なんて、今から学校にいってもどうせ遅刻だけど。