まだ校舎の構造を覚えてないあたしは瑠李ちゃんと泉美ちゃんの後を歩いてるだけだった

―――どうしよう…1年生だからどこの部活行っても勧誘されちゃうかな。あたし断れないのに…―――

そんな事を考えてると瑠李ちゃんと泉美ちゃんが「ここだ!!」と2人が一緒に言った

そこは合奏部の練習場所だった
すごく広い所だった
こんな所初めてきたので驚いた顔をしていると瑠李ちゃんと泉美ちゃんは先に中に入ってしまった
あたしは追いかけて急いで入るとそこには1年生がたくさんいた
1年生と言っても知らない顔ばっかり
瑠李ちゃんと泉美ちゃんはもう、2年生か3年生と一緒にいる
あたしはどうするべきか考えてるとあたしのところにも2年生か3年生がきた

「こんにちは。何か希望の楽器ある?ぁ、合奏部だった?」

「ぇ、ぁ…こんにちは。希望の楽器は………」

あたしは小学校、中学校と合奏部だった
ホルン一筋
別に好きなわけじゃない
小学校の時は親に無理矢理合奏部に入れさせられ、楽器は余ってたからホルンになった
そして中学の時、今みたいに「何の楽器やってた?」と聞かれて「ホルンです」って言ったらいつの間にかホルンになってた
でもあたしとしては、トランペットが憧れだった
目立つのが好きってわけじゃないけど、あのキラキラした音があたしは大好き

「希望の楽器は…トランペットやってみたいです」

もちろんトランペットなんて吹いたことない。…その前に持ち方だってわかんない
言っといてなんだけど、自分でもビックリした
最初そこにいた2年生はあたし以上に驚いた顔をしていたけど、にっこり笑って

「トランペットね。由美子ぉ-ペット希望だって-」

その声を聞いて走ってきた人がいた

「こんにちは、あたし小林由美子(コバヤシ・ユミコ)って言うの。トランペットパートリーダーだよ。よろしくね」

「こんにちは、美川亜紀です。トランペット吹いたことないですけどよろしくお願いします」

由美子さんはニコっと笑って「じゃあ、練習しよっか」と言ってあたしは練習を始めた

先輩も優しいし、楽しい部活になりそうな気がしていた