悠翔さんの車は、お店の駐車場に入った。
看板に目をやる。
蟹料理専門店…。
って!えぇ!!
「カニ~!?」
私は思わず叫んでしまった。
「カニ…嫌い?」
悠翔さんが聞いてくる。
私は思いっきり左右に首をブンブン振った。
嫌いなわけないじゃん。
カニなんて…もしかして食べるの初めてかも。
うちの家族に与えたら、殻まで食べてしまう勢いかも。
「嫌いじゃなくて良かった」
車から降りて、お母さんを見ると、やっぱり口が開いてる。
海と桜は悠翔さんを真ん中にして手を繋いでるし。
弟や妹に嫉妬してどうするって感じだけど。