しばらくして車に戻って来た悠翔さん。
「皆が俺の顔をジロジロ見てた」
悠翔さんがクスッと笑う。
そりゃ男性が目を真っ赤に腫らしてたら誰だって見ちゃうよ。
「雪?こっち向いて?」
悠翔さんにそう言われて、悠翔さんの方に顔を向けた。
「目、閉じて?」
「えっ?」
ちょ…ちょっと待って?
ここでキスは…まずいんじゃない?
「いいから閉じて」
「あっ…う、うん…」
私は目を閉じた。
唇に悠翔さんの唇が重なることはなく、
目の上にひんやりした感触が…。
「な…何?」
「ハンドタオルを濡らしてきた」
タオルが離されて、私はそっと目を開けた。