授業が終わり解散となった。
海は友達と帰るとかで、私たちより先に帰ってしまった。
児童も保護者もほとんどいなくなり、
私たちは静かになった廊下を歩いていた。
「これからどうする?」
悠翔さんが聞いて来る。
「うち来る?海も桜も喜ぶよ」
「じゃー、雪の家にお邪魔しちゃおうかな」
「うん」
お互い笑い合いながら廊下を歩いた。
「佐藤さん!」
後ろから声を掛ける。
"ビクッ"と反応する体。
それは…突然、名前を呼ばれてじゃなく…恐怖のための反応…。
私は恐る恐る振り返る。
そこにはジャージを着て笑顔の男が立っていた。