「雪ちゃん!」



悠翔さんと歩いてると、後ろから相田先生に声を掛けられた。


振り向くと、相田先生は相変わらずニコニコしてる。



「こちらの男前さんは雪ちゃんの彼氏?」



先生が私の傍に来て言った。



「あっ…はい…」



顔が熱くなる。



「初めまして。藤原と言います」



悠翔さんが会釈する。



「海くんの担任の相田です。雪ちゃんの元担任でもあるんですよ」


「雪がお世話になりまして」



悠翔さんがクスッと笑う。



「海くん、凄く楽しみにしてたみたいよ。お兄ちゃんが来るんだ~って教えてくれたのよ。今日のサッカー、藤原さんのお手並み拝見ね」



先生はニッコリ微笑むと、私たちの横を通り過ぎて行った。



「俺たちも急ご?」


「うん」



誰もいない廊下で、悠翔さんと手を繋いで走った。