「あと…」
悠翔さんの言葉に顔を上げる。
悠翔さんは私をそっと離すと、
「これ…」
と、言って、白い小さな箱を私の前に出した。
その箱にはピンク色のリボンがかかっていて、一目でプレゼントだとわかる。
「雪にプレゼント…」
「えっ…でも…」
この前、携帯をもらったばかりなのに…。
それに、私…まだ悠翔さんに何もプレゼントしてないよ。
もらってばっかりで…悪いよ…。
なかなか受け取らない私に悠翔さんが、
「いいから。あけてみて」
と、プレゼントを私の膝の上に置いた。
私はプレゼントを手に持って、リボンをゆっくり解いていく。
箱を開けると…赤色のエナメルのキーケースが入っていた。
リンゴのような赤色のキーケース。
そのキーケースには押し印みたいな模様があって…。
この模様は…あれだよね？
高級ブランドのだよね？
ブランド物を持ってない私でも知ってるブランドだよ～。
