「雪?」



悠翔さんが私を抱きしめたまま私の名前を呼んだ。



「ん?」



私は悠翔さんを見上げる。



「俺にもさぁ…雪の家族を守らせて?」


「悠翔…さん…」


「ダメ?」



悠翔さんが私の顔を見る。



「ううん…」



私は首を左右に振った。



「順番が逆になっちゃったけど…。俺…雪との結婚を真剣に考えてる。だから雪も雪の家族も守っていきたいし幸せにしたいと思ってる。雪…結婚前提に俺と付き合って欲しい…」



悠翔さんからの言葉に胸が熱くなる。


目には涙が溜まっていた。


その涙が静かに流れ落ちる。



「返事は?」



悠翔さんが、私の頬を流れ落ちる涙を指で拭いながら言う。



「……はい」



私は"コクン"と頷いた。


悠翔さんが私の体をギュッと強く抱きしめた。