「本当に雪でいいんですか?」
「はい」
「うちは見ての通り裕福な家庭じゃありません。雪が14の時に離婚して、雪には今まで苦労をかけてきました。なので藤原さん…雪のことを幸せにしてやって下さい」
お母さんが頭を下げる。
鼻を啜る音が聞こえる。
お母さん…泣いてるの?
「必ず幸せにします。雪さんを悲しませるようなことは絶対にしません。お約束します」
悠翔さんも頭を下げる。
「宜しく…お願いします…」
涙を流しながらそう言うお母さん。
私の目にも涙が溜まって、手の甲にポタポタ落ちていく。
悠翔さん…ありがとう。
私ね今、凄く幸せだよ。