高校にも慣れてきた頃だった。

「翔吾くんは流一くんと仲がいいですよねー?」

数学のレポートを図書館で書いてる時に、鏡子がそんな事を聞いた。

「そうだな、なんだかんだ言っていっつも一緒にいるしな。」

それを聞くと鏡子は目を細めてくすくす笑い出した。

「はは~ん、さてはデキてます?」

「なっ!?」

「だめですね。非常に良くないです。不謹慎です。汚らわしいです。」

腕組みをした鏡子がそんな台詞を吐き捨てた。

「なんでそうゆう発想になるんだよ!」

「私だって人間です。人間は想像力豊かな生物なのです。自然の摂理ですから抗えませんねー。困った困った。」

鏡子は暇さえ見つけては翔吾の事をよくからかった。

翔吾から見て鏡子は、人をからかう天才でもあった。

非常にたちが悪い。

けど他人がそばにいるときの鏡子は振る舞いが違った。