いつだってそうだ。
お兄ちゃんは我が相沢家の期待の星なんだ。


優秀な兄だと近所でも評判。


私はというと、いたって普通の高校に、なんとかギリギリ入れたレベル。

そんなに可愛いくも無いし、何か特技があるわけでも無い…。



「蓮はちっちゃい頃から優秀でね。
私達の自慢なの。
…それに比べてみくは…。」


お母さんは私をちらっと見て、肩を落とした。


…ま~た始まったよ…。


私はとんかつを箸で乱暴に掴んで口に押し込んだ。


「お兄ちゃんみたいになれとは言わないわよ。
ただみくももうちょっとねぇ…。
せめて、もうちょっと女の子らしくするとか…」


私は、お母さんの言葉を無視してムシャムシャととんかつを食べ続けた。