やっと、お兄ちゃんの唇が私の唇から離れた。

何なの?

何が…起こったの…

あまりの出来事に、私が言葉も発せずにいると、お兄ちゃんが口元に笑みを浮かべながら言った。

「お前、キス慣れてないだろ。」


私はなにもいい返せない。

まだ状況がうまく飲み込めてない…

どうしてお兄ちゃんが…―

「俺が教えてやるよ。」

再び、お兄ちゃんの唇で私の唇は塞がれた。

「ほら。お前ももっと舌を使え…」

「や…っ―」

驚く事に、私はお兄ちゃんに言われるがままになっていた。
「そうだ。
もっと絡めるんだ」

「…っ」

「激しく…」

「……ふ…っ―」


お兄ちゃんがクスッと笑った。

「うまいじゃないか。」

!!

その言葉にはっと我に返り、

ドンっ!

お兄ちゃんを突き飛ばした。