いっ…いっ…今…

キッ…キッ…キスされたよね!?

キャー!!!

ヤバいっ!

すっごい嬉しいよぉ~~!!

私はすっかり舞い上がってしまい、上機嫌で家へと帰った。

まさか、

見られてたなんて全く気づかずに…―。



「ただいま~」

「おかえり~。遅かったわね。
夕飯は?」

「友達と食べてきちゃった。」

「そう。
じゃあ、お風呂入っちゃったら?」

「そ~する~」

そう言いながら、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。

お父さんは、リビングのソファーで茄子の煮浸しともずくを肴にテレビを観ながら晩酌をしているところだった。

「あ!
お父さん。この番組ちょ~面白いんだよ!
これ観よう♪」

私もソファーに座ると、チャンネルを変えようとしているお父さんに言った。

「そうなのか?」
「うん!」

「ほら。みく。先にお風呂入っちゃいなさいよ。
お兄ちゃん帰ってきたらタイミングかぶっちゃうでしょう!」

キッチンで洗い物をしながらお母さんが私に言う。

「は~い…。」

仕方ない。
入っちゃうか。

お兄ちゃんが先に入ったらしばらくはいれなくなっちゃうもんね。

私はしぶしぶお風呂場へ向かった。