「先輩!」

谷川先輩はすでに来ていた。

「みくちゃん。」

「すみません。
待ちました?」

「俺も今来たとこだよ。
…じゃあ、行こっか。」

「はい♪」

谷川先輩と2人。
肩を並べて学校を出る。

歩きながら私はチラッと先輩を見た。

夕陽に透けるちょっと茶色がかったキレイで柔らかそうな、少しクセのある髪…。
整った眉。
優しげな瞳。
すっと通った鼻筋。 少し口角の上がった口元。

そんな先輩には、いつもかけている黒縁の眼鏡がよく似合っていた。

…やっぱ、カッコイいよな…―。

こんな素敵な人が私の初めての彼氏だなんて…―///


そんな事を考えていると、不意に先輩と目があった。

「?どうかした?」
「い…いえ…」

しどろもどろに答える私。

きっと顔は真っ赤だ~恥ずかし~…

そんな私の様子を見て、先輩はクスッと笑うと、私の左手を握った。


!!!!

「どこ行こっか。」
そのまま、私達は手を繋いで歩き出した。