「あら。
今日はもう行くの?」

玄関で靴を履いていると、背後からお母さんがそう声をかけてきた。

「うん。
当番だったの忘れてた。」

私はとっさにそう嘘をつくと立ち上がった。

「今日は寒いわよ。何か羽織って行ったほうがいいんじゃない?」

「大丈夫だよ。行ってきます。」


ガチャリとドアを開け、私は外へと出た。