亮ちゃんはずるいよー…


いとも簡単にあたしの気持ちをさらっていく。







亮ちゃんに触れられた頭を抑えつつ、あたしは亮ちゃんを見上げた。







「りょう!

その子彼女?」



亮ちゃんと同じ研究室にいた先輩があたしと亮ちゃんに近づきながら言った。






「ちげーよ、幼なじみ。」





“幼 な じ み”



…やっぱ亮ちゃん自身から聞くとつらいものがある。



あたしは、亮ちゃんにとって“幼なじみ”以上でも以下でもないのかもしれない。