「うぎゃあ!」

加奈子を包んでいた闇のオーラが吹き飛び、

変身が解けると、芝生の上を転がった。

6人の乙女達は、芝生に着地した。


「そ、そんな…馬鹿な…」

加奈子の両目にはめられていたコンタクトレンズが、落ちると…粉々に砕けた。

「ま、負けるものか!あたしは、あんたらには!」

加奈子は立ち上がると、どどめ色の乙女ケースを突きだした。

「まだ…あたしには、これがある!そうちゃ…」

叫ぼうとした加奈子の腕を、哲也が掴んだ。

「災禍様…。今は引きましょう。この状況は、こちらにとって不利です。5人の乙女ソルジャーに…2人の乙女ガーディアン…」

「ふ、2人?」

哲也は導くように、視線を後ろに向けた。

その方向を見た加奈子は、絶句した。








「中島…大丈夫?」

何も考えずに、飛び込んだ理香子は…中島に自分から抱きつき、押し倒す格好になっといることに気付いて、慌てて離れた。

「相原…」

中島は、起き上がることなく、月を見上げ、

「ありがとう…」

「えっ!あっと〜」

素直にお礼を言われると、理香子は照れてしまう。

「べ、別に!た、助けようとお、思って…やったわけじゃないから!」

素直な返事ができなかった。そっぽを向く理香子に、中島は笑った。

そして、ゆっくりと立ち上がると、理香子を見つめ、

「ありがとう…。だけど、相原に助けられるのは、今日で最後だ」

強い口調で、理香子にお別れの言葉を述べる。

「君が、その力を手に入れたんなら…俺と君は、戦う運命にある!さよなら、相原…」

中島はゆっくりと背を向けると、歩き出した。


「中島!」

訳がわからず、追いかけようとした理香子を、中島は一喝した。

「来るな!」

理香子はびくっと、身を震わせた。

そんな理香子を見れない中島は、顔をしかめながら、

「世界が…違っていたら…俺は絶対に…」

中島は唇を噛み締め、

「大好き…だったよ。理香子…」