「呆気ない…」

プラチナは首を回すと、ゆっくりと九鬼のもとへと歩いていく。

「貴様に、月影を名乗る資格はない。この地で、死ぬがよいわ」

厚化粧のおかまのような顔を歪めて、プラチナが含み笑いを浮かべた。


「九鬼!」

先程の九鬼の落下の衝撃音を聞いて、夏希と蒔絵…そして、蘭花が走ってきた。

「フン!中途半端の次は、出来損ないか!」

プラチナは、九鬼の前に立つ3人を見つめ、

「折角の獲物だ。乙女ケース!頂くぞ!」



「あたし達を舐めるな!」

夏希はプラチナにすごんだ後、後ろにいる蘭花に顔を向け、

「黒谷さん!危ないから、下がって!」

「フッ」

その言葉に、蘭花は笑った。

夏希はまだ…蘭花の正体を知らない。

蘭花は大人しく下がると、衝撃で出来た穴の中にいる九鬼の方に体を向けた。



「装着!」

珍しくやる気のある蒔絵も、夏希とともに変身する。

そして、

「乙女ビーム!」

「乙女スタンガンマックス!」

至近距離からのビームの直撃と、スタンガンの電撃を受けるプラチナ。

しかし!

「クズどもが!」

プラチナは、気合いで跳ね返した。

「きゃあ!」

ふっ飛ぶ2人。

その時、プラチナのこめかみに、何かが当たった。

「うん?」

プラチナの眼鏡がスコープになり、遠くの方でこちらに、銃口を向けている乙女ピンクをとらえた。

また銃弾が、プラチナの眼鏡に当たった。しかし、プラチナは微動だにしない。

「蠅が五月蝿いわ!」

プラチナの手から、光の糸が飛び出すと、数十メートル離れた岩陰から、乙女ライフルで狙撃していたピンクが、いぶりだされた。

「乙女念動力!」

ピンクの体が中に舞うと、まるで釣竿で釣られた魚のように、倒れているブルー達のそばに引き寄せられた。

「ハハハ!これで、三匹!今日は、大漁だ!」

高笑いをするプラチナの前で、立ち上がった三人は、各々の乙女ケースを突きだした。

「兵装!」

乙女ケースが武器に変わる。

「乙女青竜刀!」

「乙女ミサイル!」

「乙女キャノン!」

三人は武装した。