お約束の温泉に、夏希や蒔絵…蘭花の入浴シーンのワンカットが、画面に映る。

なぜか、半田先生だけが、全裸でポーズをつけていた。

勿論、大事なところは石鹸で隠されている。


次は、就寝シーン。

部屋に敷いた布団に、思い思いの格好で寝る月影メンバー。

九鬼だけが、窓のそばに立ち、月明かりに照らされている乙女ケース達を見つめていた。




そんなこんなで、次の日。

朝ご飯を食堂で終えた一向は、旅館から少し離れたバス停留所を目指した。

途中、魔神自動販売機が置かれていた場所には、何もなくなっていた。

だからと言って、夏希は別に気にもしていなかった。

それよりも、中島との運命の再開に興奮していた。


バスに乗り、一同は近鉄京都駅へ向かう。

そこからは、近鉄電車で、奈良駅を目指す。

一時間程、揺れていると、大月学園の生徒達は、近鉄奈良駅についた。

ぞろぞろと女の集団が、階段を上がり…奈良の地に姿を見せた。


駅前の行基像の前で、生徒達は集合する。


「今から、自由時間だ!その際は、ちんと班毎に行動するように。夕方、ここに集合しろ」

熊五郎の言葉で、生徒達は散らばった。


「それにしても…なんて、自由行動が多いのよ」

理香子のぼやきに、

「番組の都合よ」

楓がこたえた。

駅前から、奈良公園まではなだらかな坂になっていた。

「君達も、生徒達をよろしくな」

熊五郎は、引率者である理香子と楓に言った。

「わかりました」

楓が返事をすると、理香子の周りに人だかりができた。

「相原せんぱあ〜い」

アイドルを見つめるように、目をきらきらさせた女生徒達。

「どこいかれます」

しなをつくる女生徒の中に、竜田桃子もいた。

「姫様」

桃子は、理香子の大ファンだったのだ。