高笑いをするポケホウダインは、はっとした。

「そんなアホな!」

とんでもない勘違いに気付いたのだ。

「レッドはんやおまへんやないんかい!」

ポケホウダインが気付いたときには、九鬼の回し蹴りがポケホウダインの画面に突き刺さっていた。

「し、主人公と…絡むんやなかったんでっか!き、脚本と違うや…おまへんか…」

一撃で崩れ落ちるポケホウダイン。

「だったら…再生魔神になるオハー…うけへんかったのに…」

九鬼は、ポケホウダインを倒すと、すぐに走り出した。

「携帯電話に、蹴りって…無料修理してくれへんやろな…。最近、機種変更高いし…」

ポケホウダインは、背中から倒れ、

「わてって…下っぱより…弱いんちゃう…」

ポケホウダインの画面に、涙が映り、

「予想外です」

CMの台詞を言って、ポケホウダインは大爆発を起こした。

「あ、あたしの携帯!」

寺内に隠れていた半田が現れて、もとの大きさに戻った携帯を手に取り、

「ソ○トバ○ク…に持っていなくちゃ…」

じっと見つめると、

「自然に壊れたは…無理があるわね」

深くため息をついた。




「もうすぐだから!」

早奈英を背負いながら、走る九鬼の目に、緑に覆われた広い公園のような境内が見えてきた。

大寂門を抜け、左に曲がれば、南禅寺内に入ることができる。



「待て!」

門を抜けてすぐ…また、行く手を阻むもの達がいた。

白い豆腐に足が生えた…謎の物体。

「我らの名は、湯豆腐三兄弟!よくも、父ちゃんを!」

「よくも、母ちゃんを」

「よくも父ちゃんか!母ちゃんを!」

三兄弟ははっとして、輪になり話し出した。

「あれは、父ちゃんだろ?」
「いや、母ちゃんだよ」

「でも、いっしょにこされたから…ある意味、兄ちゃんじゃない?」

一番小さい豆腐の言葉に、おおーっと感心すると、

「でも…姉ちゃんの方がよくない?」

三兄弟は悩み出した。