ライフルから出た銃弾は、空中で横に移動した猿に当たることはなかった。

くるりと回転すると、桃子の後ろに着地した。

「我が名は、抹茶モンキー!乙女ピンク!貴様の命を貰う!」

「うるさい!」

ピンクは引き金を続けて弾いたが、残像が残る程のスピートで゙動く抹茶モンキーには当たらない。

二車線はある巨大な橋の上を行き交う車は、銃声にパニックになる。

そして、両側から、数えきれない程の下っぱの大群が現れ、走ってくる。

車は突然、出現した大群に、急ブレーキを踏み、ハンドルを切った。

だけどその為に、車はぶつかり合い、大事故になった。



「兵装!」

ピンクは、ライフルを一回転にさせた。

「乙女マシンガン!」

形が変わり、マシンガンになった武器を、抹茶モンキーに向かって連射した。

「げ!」

さすがに、驚いた抹茶モンキーは、背を向けて、逃げ出した。

「待て!」

ライフルから発射される銃弾の嵐は、抹茶モンキーには数発当たったが、それ以外は下っぱや、関係ない人々にも当たりそうになった。

「この野郎!」

桃子は手摺から飛び降りると、逃げる抹茶モンキーに向かって走りながら、撃ち続けた。


パニック状態が広げる嵐山。


橋から美空ひばり記念館の前まで移動し、さらに名物のコロッケ屋さんを通り過ぎたが、まだ仕留めなれない。

「死ねえ!」

しかし、ムーンエナジーには、限りがある。


カチカチ。

「え!」

玉が尽きるとともに、乙女ピンクは桃子に戻った。

電柱や、通りに並ぶ店の中に隠れていた下っぱ達が、状況を確認してから、ぞろぞろと出てきて、桃子を包囲していく。

「変身が解けたか!」

抹茶モンキーは足を止め、振り向くと、

両手をクロスさせた。

鋭い爪が飛び出すと、抹茶モンキーはジャンプした。

「くらえ!抹茶大切断!」

爪で、桃子を引っ掻こうとしたが、突然抹茶モンキーの全身から、血が吹き出した。

どうやら、結構当たっていたようだ。

抹茶モンキーは、大爆笑を起こした。

抹茶モンキーは倒した。

しかし、桃子は下っぱ達に囲まれてしまった。

絶体絶命だ。