「気になることといえば…九鬼真弓が、シルバーの力を手に入れたぐらいです。彼女には、気を抜けません」

そう言ってから、しばらく蘭花ははいはいと、話に答えていた。

「心配ありません。あたしが、乙女ブラックになりましたから…内部から、探りをいれれます。え?酷いですわ…お婆様…。自分の孫に対して…腹黒なんて」

クスッと笑うと、

「あたしは、乙女ブラック。黒の戦士です。月の戦士でありながら、闇と同じ色を持つ者…。それは、あたし達…代々、月の防人としての使命を全うしてきた…黒谷一族も同じ」

蘭花は、虚空を睨んだ。


「心配いりませんわ。お婆様…。やつらにも、渡しませんし…月影にも、邪魔させません」

蘭花は口元を緩め、

「月の秘宝のすべては…我々、黒谷一族のものに」

いやらしく笑った。