「それがいつもの家出なら服がいっぱい出されて何枚か持っていってるんだよ。」





「それが今回は無くてご両親が何かに巻き込まれているかも知れないって事で俺らの出番ってわけ。」


俺は初めて喋ったせいかみんなの視線が痛かった。



「つってもどうせお嬢様の気まぐれだろ。なんでこんな大事になんのかね。」

俺はつい言ってしまった。



「おい、やめろ!萩元。」




先輩に言われても俺は口を止めなかった。



「この年頃ってやっぱ親に反抗したくなるじゃないですか。反抗期ってやつ?」



みんな黙っている。


やっぱりこの違和感は本物だ。


「…正直みんな帰ってきてほしくないんでしょ?最初っから気になってたけど。」


「…ちょっと!失礼じゃないですか!?みんないきなりクラスメイトがいなくなって動揺してるだけです!」

先生がすごい気迫で言い迫ってきた。



「なら…、なんでほとんどの生徒が安心した表情をしてるんですか?」



先生がビクッとした表情を浮かべた。


やっぱり先生は気付いていたんだ。