結美は電話が長引き、だいぶかかってから大学でみんなで集合場所に決めている木の下のベンチに着いた。亜夜と和俊が座っている。
「ごめんっ!!遅くなっちゃった!!!」
「大丈夫だよ。さあ、行こうか。」
和俊がベンチから立ち、言った。孝と幸也は少し離れたところに座っていてこちらに近づいてきた。
「遅かったね。瞬さんなんて?」
幸也が結美の横にいき、聞いた。
「あまり遅くならないようにすること!あまり飲みすぎないこと!帰りは誰かに送ってもらうこと!・・・だって。」
呆れたように結美は言った。
「瞬さんらしいというか、過保護というか・・・。」
「ほんと松田家の姫だよね。」
「やっぱ結美はかわいいからねぇ。」
「当たり前じゃん。」
つぎつぎにみんなが結美を褒めた。
「もうっ!みんなしてからかわないで~!!」
本人の結美は鈍感ゆえにみんなの言葉をからかいと取っていた。
「これがなければねぇ。」
亜夜は笑いながら言った。