「それはっ、なんていうか…。」


亜夜は言葉に詰まる結美を静かに見つめていた。


「…結美が、お兄さんのことで恋愛に少し臆病になってるのは、あたし達みんなわかってる。だからこそ、いい人見つけて幸せになってほしいのよ。今はなんにも考えられないかもしれないけど…。」



「…うん。ずっと心配してくれてたの?」


亜夜は微笑んだ。

「当たり前でしょ。結美はあたしにとって世界一の親友なんだから。」


そう言いながら結美に抱き着いた。そして結美の耳元で囁く。


「みんなで幸せになるって、あの時みんな誓ったでしょ。結美だけが不幸なんて、そんな事あたし達死んでもさせたげないから。」


「死んでもって…、わかった、ありがとうね亜夜ちゃん。」


そう言って結美は亜夜に負けないぐらいの力で抱きしめた。