7年前、俺は刑事になって初めての事件で浮かれていた。
だが回されたのは彼女と同じクラスの友達の聞き込みだ。
なぜ捜査に回してくれない、と機嫌が悪かったのを覚えている…。
そうだ、あの時の−…
思い出していると、彼女は誰かに呼ばれたみたいで反対方向に走っていった。
「ま、待ってくれ…!」
そう言って走ろうとした時、俺は誰かに腕を掴まれた。
「先輩!何やってんすか。持ち場離れないでくださいよ。」
7歳下の後輩である葛城 健(カツラギ タケル)がさっき買ってきたばかりの缶コーヒーを持って現れた。
そうだ、今は違う事件の捜査中だった…。
悪い、といってまた捜査に戻った。
あの時の彼女たちを思い出しながら−…。