「あのね、朱里に会わせたい人がいるの…」
そう言うお姉ちゃんの頬はほんのりピンクで。
会わせたい人って……
「あたしが今、付き合ってる人なの。
…いずれ結婚も考えてる。
中里 康太って言って、今23歳の人」
「ええっ!?」
ちょ…ちょっとまって!?
一気に色んな事を聞いて、バカなあたしはパニックで。
け…結婚!?
てゆうか…
「お姉ちゃん彼氏いたのっ!?」
「うん。
…付き合って3年目かな?」
「さんねん!?」
……まったく知らなかったよ…
二人で暮らすようになってから、お姉ちゃんは家事もちゃんとこなしてた。
それくらいあたしの為に家にいてくれて。
「お姉ちゃん…今までごめんね……」
会わせたい人って聞いた時、一瞬橋口さんかと疑いそうになった。
どこまでも駄目なあたし…
「どうして謝るの?」
「だって…」
あたし、勝手にお姉ちゃんに嫉妬したりして…自分の事しか見えてなかった。