「なんだ…
もう他のヤツ?
かわいそうだから付き合ってやろうと思って、わざわざこっちから言ってやったのに」
え………?
高畑くんの言葉だとは思えないような発言。
なに…それ…
そのまま高畑くんは行ってしまった。
あたしはただ立っているだけで
……『かわいそうだから』
その言葉がぐるぐると頭を廻っていた。
あたし…そんなふうに見えるんだ?
かわいそうな子
何度もお姉ちゃんと比べられて来たけど
自分の事をかわいそうだなんて思わなかった。
…思いたくなかった。
すべてを否定された気分。
高畑くんがあんな人だったのもショックだったけど…
勝手にあたしが作り上げた理想でしか見てなかったんだ。
……馬鹿だなぁ。
はは…
こんな時に笑えるなんてどうかしてるよ。
だけど
いつの間にか、視界は涙で見えなくなった。