それから俺は、月に数回会って、朱里ちゃんの髪をトリートメントしたりしてる。
俺の家は小さな美容室で。
出世払いって事で、スペースや道具を借りて。
実際、色々勉強になってる。
朱里ちゃんは話してみると、大人びた印象とは違って
明るくてかわいい子だった。
俺は女の子を連れて来た事なんてなかったから、お袋は面白がってるし…。
俺の周りはそーゆー事しか考えられないのか!?
馬鹿だね。
朱里ちゃんは俺の初めてのお客さんみたいな感じ?
まぁ…俺が無理矢理頼み込んで来てもらってるわけだけど。
……大丈夫だよな?
もしかしてしつこい俺にウンザリしてないか?
そんなの今さら何言ってんだよ。
だけど急に不安は襲って来て。
目の前に座っている朱里ちゃんを鏡越しに見ると
……バッチリ目が合った。