あの子だ……!!


やっぱり綺麗な髪だと思った。


「おい。直志、見すぎ(笑)」


雅敏が言う。


「話かけねぇの?」


話!?


「はぁ!?イキナリ出来るかよ!!」


なんて言うんだよ。

髪綺麗ですね、ってか?

俺でも引くって解るよ。


「ハァ…じゃどうすんの?
みーてーるーだーけ?」


イラつく。
コイツ絶対楽しんでる。


俺は、全く減ってないオレンジジュースを一気飲みした。


「はぁ」


あの子が座ってる席を見る。


俺の場所からは後ろ姿しか見えなくて
表情が解らない。


…顔が見たいな。


面白がってる雅敏を無視してそんな事を思う。


「ま、確かに綺麗な子だよな。
俺は向かいの子のがタイプだけど。
…なぁ、俺が声かけてきてやろっか?」


ハァ!?

「ナンパかよ?」


ちょっと待て。