あれから何回か、店に足を運んだけど

まだ会えてない。


店へ行く度に、キョロキョロしてる俺を
雅敏はおかしいと感じ始めてたみたいで、ついに訳を話す事に。


「本当にすごく綺麗な髪だったんだよ!」


「お前ってそんなに髪フェチだったっけ?」


雅敏はなんか呆れぎみだし。


「ちょっ…フェチって!
せめて美容師のサガとか言ってくれよ!」


俺、変態みたいじゃん。


「まだ美容師じゃねぇじゃん
…しかし、お前から女の話が出るなんてなぁ…」


ニヤニヤしてる雅敏。

……なんだよその目は?


「とにかく!
俺はもう一回会ってみたいの!」


………会ってどうすんだろ?


やっぱ解らん。


理由なんてないんだ。