駅に着いて、とりあえず正面辺りまで進んだ。


ここなら気付くはず。


「朱里……?」


「もう少し待っててね?」


あたしからは何も言えない。


朋美もどこか覚悟を決めた様に、唇をきゅっと噛んで前を見てた。


まだ来ないのかな…

そう思った瞬間


「朋美ちゃん!!!」


とてもとても大きな関谷さんの声。


遠くからこっちに向かって走って来るその姿は本当に必死で。


二人を見た瞬間、胸が締め付けられた。



関谷さんは、おもいっきり


朋美を抱きしめたんだ…







ここからは、朋美と関谷さんだけの時間。



あたしと橋口さんは邪魔をしないようにその場を離れた。




良かったね…朋美!!