もしかして…関谷さんは…!?


あたしの都合の良い考えが頭を廻る。


「朋美、今日携帯はっ?」


「え…あ、今日携帯忘れて来ちゃって。
最初は取りに帰ろうと思ったんだけど、関谷さんとの待ち合わせに遅れそうだったから…

……それがどうしたの?」


ああ、タイミング悪すぎだよ関谷さん!

あたしはいても立ってもいられなくて。


「橋口さん!
とりあえず駅に向かいます!!」


『わかった!雅敏連れて行くから!!』


「え…っ、ちょっと朱里!?」


あたしは朋美の手を取って部屋を飛び出した。



わけが解らなくて、不安げな朋美。


「大丈夫だからね!!」


あたしはそれだけ言うと走り出した。


うん。

きっと大丈夫。


朋美は絶対に幸せになれるよ。



朋美がきゅっとあたしの手を握り直したのが分かった。