もうとっくに

この気持ちの正体に気付いたけれど


それを
自分の中で言葉にする事が出来ないでいた。



どうしてだろう…?




気持ちは
もう溢れ出しそうなのに。


どこかで壁を作ってる。


まだ…


あたしは自分を守ってくれる部屋に閉じこもったまま、

扉に鍵をかけてる。



橋口さんは他人とあたしを比べるような人じゃないって知ってる。


だけど…っ
今まであたしが好きになった人がそうだった様に……




――――怖い。

あたしは怖かったんだ。


この関係が崩れる事が。


たとえ、橋口さんの興味があたしの髪だけだとしても


ううん。

初めからそうだった。


それでもいい。

それだけの関係でも


一緒にいたかったから。