自分でも驚くくらい大胆な行動。
「えっ!?」
橋口さんも握り返したあたしに驚いてる。
「じゃあ、デートしましょう?
それとも女子高生とデートは嫌ですか〜?」
あえて“あたしと”とは言わずに。
橋口さんが深く考えない様に冗談ぽく。
…本当はあたしが拒否られるのが怖かっただけ。
拒否られても、冗談ですよ〜って笑えるように。
傷つくのが怖いだけ。
「俺なんかとデートしてくれるなんて光栄です」
あたし達は手を繋いだまま歩き出した。
…優しいね。
断られなかった事に安心しながらも…
何故だかどこか淋しくて。
ダメダメ!
せっかくなんだし楽しまなきゃ!!
それからは本当にデートみたいで。
…実は、あたしは本物のデートなんてしたことがなくて。
ずっと内心バクバクだった。
あたしはもう気付いてる。
……この気持ちの正体に。