「前も、雅敏が言ってたけど…
俺さ、いっつも後先考えず行動しちゃうんだよな。
思った事、すぐ言っちやうし…
朱里ちゃんも迷惑だったらハッキリ言って良いからね?」
「そんな!
迷惑なんかじゃないですよ!!
…そりゃ最初はビックリしましたけど(笑)」
そう言ってあたしは髪を触る。
「こんなに髪の毛が綺麗なのも、橋口さんのおかげだし」
あたしが一人でしてた手入れ程度では
こんな風にならなかった。
「そか」
そっけない返事。
あれれ…?
照れてる?
橋口さんを見上げると
「わっ、あんま見ないで。照れるしっ」
頬っぺた赤いよ?
「かわい…」
思わず口から出た言葉。
あたしも橋口さんの事言えないね。
「わあっゴメン!手っっ」
自ら繋いだ手に驚いてる。
えぇえ!?
いまさらっ?
「あははははっ」
おかしいっ
橋口さんが焦って離そうとした手を、
今度はあたしから握り返した。