…さて、
肝心の問題が起こったのは、
その日の放課後のことだ
「 ………。
…ミーティングは? 」
アルコールランプで沸かされたビーカーのなかのお湯を見ながら私は呟いた…
沸騰したお湯の底からは泡がゴポゴポと沸いては消えていく
「 …野田先生が、
星野先輩を励ましてやろうって…
俺は、止めといた方が良い。って言ったんすけどね… 」
面倒臭さそうに言いながらタモリ君は、
ビーカーの中に、
薬品… ではなく、
インスタントコーヒーの粉を入れてぐるぐる掻き混ぜる
お湯はみるみるうちに、茶色く染まっていく…
「 ……は? 」
タモリ君の言葉に
思わず、呆けた声が上がってしまった…
「 今日の生物部は、
"星野部長を励ます会"だ!!」
いつの間にか現れた顧問の野田先生が、
高らかにそう宣言した
その手には、
いっぱいのお菓子が抱えられている…。
…どうやら野田先生は、
生徒たちの噂で、私と優斗とのことを 耳にしたらしく、
私を気の毒に思ってか、
"励ます会"を開いてくれたのだった…