「 …すみません。
ちょっと出てきます。」
先に口を開いたのは
優斗の方だった…
優斗は私の腕を掴み立たせると、担任にそう言って
私を連れて教室を出ようとする…
「 あぁ。
…ちゃんと仲直りして来くるんだぞ。」
そう頷いて、私たちが出て行くのを許した担任の先生
その表情は、本気で私と優斗のことを心配している様子だった…
先生だけじゃない。
クラスの皆も、
同じように本気で心配そうな顔をしていた…
皆にとって
私と優斗は、
仲の良いカップル…
喧嘩なんか
一度だってしていない…
だって
それは全部
演技だったから……
嘘なのに、皆は本気で心配してくれていた…
ここにきて、
皆への罪悪感に胸が締め付けられた…