「 おはよ。神菜
熱、もう平気か? 」
優斗が、優しく笑って声を掛けてくれる。
「 うん平気だよ。」
私は頑張って笑顔を張り付けた。
クラス公認のカップルの私たちは、席が隣り同士である。
席替えの際に、クラスの子たちが気を利かせて、隣りにしてくれたのだ…
ありがたいはずのその場所も、
今となっては
とても居心地が悪い…
「 …さっき、1年の奴と居ただろ? 」
「 え…? 」
( 見られてたんだ…。)
ユリと一緒に居た美術室からの帰りに見たのだろうか…
「 あ…、うん。
同じ部活なの…。」
ここで嘘付く必要もないので、正直に答える…
…でも
ここで逆に、
優斗もユリと一緒に居たでしょ?と、聞き返したくなる。
そしたら
なんて答える?
私と同じように
同じ部活の後輩だ
って、言うのだろうか?
でも、
部活の後輩とは、
仲良く雑誌見て
お揃いのもの買う約束しないよね…?