「 …神菜、平気か? 」
優斗の心配する声…
授業中に熱が上がってて
ぶっ倒れてしまった私
優斗が付き添うように保健室のベッドの横で私の様子を伺っていた
「 うん
ごめん…、優斗…
だいじょうぶだから…」
「 38℃の熱は、
大丈夫って言わない。
今日は送ってくから、」
さも当たり前のように
優斗が言う…
放課後には
部活があるのに…
「 ……1人で帰れるよ。
優斗は、部活行かなきゃいけないでしょ?」
「 そんなこと気にすんな。
今更 一日ぐらいサボっても平気だし。」
そう言って優斗が優しく笑う
「 ……どうして、」
「 ん? 」
「 …ううん。なんでもない…。
ありがとうね、」
…どうして、
そんなに優しいの…?
そう言いかけた口を、
咄嗟に閉じた。
答えなんて決まっている
私が、彼女役だからだ…。
…けれど、
"彼女役だから"
…じゃなくて、
"私だから"だったらいい…
そうであればいいのに
…と、強く強く 願った…