「 記念日の、お揃いの物とか買う? 」
カップルには、
記念に買う お揃いなアイテムは、必須である… 。
私の提案に、優斗も納得したように頷いた…
「 あー…、
そうだな、
神菜はなんか欲しいもんある?」
「 んー…?
とくにないかも、」
私がそう答えると、優斗が、
「 じゃあ…、無難に指輪とかでいいか? 」
と、言うので、
…適当な店で、
適当な値段の、適当なデザインのペアリングを買った。
もちろん
割り勘である…。
そして
買った指輪をさっそく薬指に嵌めてみた
…どうでもいい話だけど、
薬指って、
なんで存在しているのだろうか…?
ほかの指の使い道はわかるにしても、
この微妙な長さの薬指は
いつ出番があるのか…
と、ふとそんなことを考えてみる…
もしも
薬指が恋人同士の指輪交換の時しか、活用されないというのなら、
全国の恋人がいない人々にとっては
なんと
嫌味で皮肉な存在か…
全国の恋人がいない全ての人のためにも、
私は是が非でも、薬指の公平な使い道を見つけてあげたい…。
と、何故か妙な使命感を抱えている私に対し、優斗がふいに呟いた…
「 ……薬指って、
なんで存在してんのかな…?」
………。
どこまでも
似た者同士な私と優斗…