「サンタさん、毎年ありがとう。」



彼女が本当に嬉しそうににっこり笑う。



「サンタさん私に話しかけてくれてたでしょ?

私、起きてたんだから。」



「俺…私のほうこそありがとう。」



『俺』はサンタらしくないと思って言い直した。



「毎年君から夢をもらっていたよ。」



「サンタさん何言ってるの。」



あははと彼女が笑った。



「私のほうがいっぱいいろんなものもらったわ。

8年前にサンタさんと会ってから、誰に何言われてもサンタさんはいるって信じてたの。」