雄叫びをあげてから数時間、
月は森をさ迷っていた。むろん、食料を捜すためだ。
ここはどこなのか、なぜここにいるのかという不安や恐怖は月の中では空腹には勝てないのだ。
「見たとこ肉食獣みたいなのはいなそうだし安心してあるけそー。あとは牛乳パンでも落ちててくれれば文句ないんだけどなー」
ふんふん、と鼻歌を歌いながら木を掻き分けるのに具合のいい枝を手にずんずんと森を進んでいく。気分は既に冒険者。
ガサっ
「なにやつ!」
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