ブニっ

「…ぅえ?」

手を下ろし、目をあける。


オコジョはぐいぐいと木の実をほっぺに押し付けていた。

ぶにぶにぶにぶに

(あたしに受け取れってこと?)

「オコジョ、くれるの?」


オコジョは、その図体から考えられないような可愛いらしい声で「きゅー」と泣き、涙でびしょびしょの顔を舐めた。
昼間は、恐ろしさの塊であったオコジョのやさしさが伝わってくる。


「ありがとう、おまえ見かけによらずやさしいんだね。誤解してたよ」


と、熊のような手から木の実を受け取り、頬張る。



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