「異世界はとても好きだよ」

私がそう言うと、フウさんはニヤリとした。

「そうかい。なら、こいつはぴったりだな」

するとミヤが言った。

「じゃあ、俺たちもう行くからよ、また酒飲もうな」

「おうよ、じゃあな」

そう言って私たちは別れた。

「さっきの人……」

歩きながら尋ねるとミヤが言った。

「フウさん、ヤクザなんだぜ。
 また何かやらかしてブタ箱行ってたのさ」

そう言って軽く笑った。

この街の暗いベールは何もかも包み込んでしまうようで、そして薄暗く鮮やかなネオンはいつも私たちの奥底の本能を掻き立てるのだった。