ミヤは言葉を投げ掛けながら表情の変わる二人を、身に任せたようにカメラで撮り続ける。
はにかむ姿、二人で見つめ合う姿、あの日を思い出すように遠くを眺める姿、腕をくむ二人のシルエット。
まるで風のようにシャッターをきるミヤ。
ミヤのその爽快さに飲み込まれるかのごとく、モデルたちはきらきらと輝き出す。
彼は天性の写真家かもしれないと、そう思った。
三十分ほど写真を撮り、カップルと別れた。
私たちと別れる二人の後ろ姿をちらっと振り返って見てみると、二人の雰囲気は、初めよりもきらきらとしているようだった。
マジック……うん、ミヤ・マジックだ。