マサ、聞き慣れない名前にしんとなった。
少し沈黙が流れたあと、キッドが答えた。
「アイツは……死んだよ。
お前が行ってすぐだ。
クスリで頭やられちまってよ、飛び降りて、死んだのさ」
ミヤの酒を飲もうとする手がぴたりと止まった。
「……そうだったのか」
「俺たち何度も煩く言って聞かせてやったんだがよ。
けどなァ、当の本人がブッ飛んじまって……そう、死んじまった」
キッドと同じように仲間の顔も曇っていた。
そんなことがあったのを知ったのは、私も初めてだった。
「あいつは……クスリの量もハンパじゃなかったしなァ。
……そうか……死んじまったのか」
そう言うとミヤは手に持っていたグラスをぐいっと口に運んだ。