「ボーイ!ビールみっつ!」
「バカ、今日は格別だろ!カクだ、カク!」
「あっ……カ、カク!」
一時間ほどするとミノルがやって来た。彼がボーイにカクを注文し、それぞれにカクが渡されてそれを上に掲げた。
「我が仲間、ミヤの帰国を祝って」
キッドがそう言いそれぞれ乾杯すると、カチンカチンとグラスの良い音がして、一斉に飲み干した。
「ミヤ、どうだ、クラウンの酒は」
キッドが言う。
「格別だよ。やっぱりクラウンの夜がいいなァ、俺の居場所だ。けど、エミリーは来てないんだな。残念だよ」
「……アイツも大変でさ、最近は来ないのさ」
キッドはとっさにそう返した。誰も何も言わない。
「そうか……そういやマサは?」