「ミノルの奴何やってんだ。やっとミヤが帰ったのによ」

と、力也。

「あぁ、さっきあいつが手伝いしてる店で会ったさ。そのうち来んだろ、なァ、ハル」

いきなり話を振られて私はぎこちなく頷いた。貴志がちらりとこっちを見た。

「そういや、ハルと何かあったのか?」

力也が尋ねる。

「ちょっと手を貸してやっただけさ。にしてもこんなべっぴん、どこでナンパしたんだよ?なァ、キッド」

そう言うと、ミヤの輝く瞳が私の目を捕らえた。しつこくない彼の笑みが、私をどきっとさせる。

「ここの姫様さ。手を出すなよ、ミヤ」

キッドが言う。

「クラウンのいたいけなお姫様か」

「力也は酒呑み傭兵さ」

私が言うと、仲間は一斉に笑った。

「違いねぇ!」

力也は、タバコを灰皿に押し付けながら、「敵わねェな」と呟いた。